聴いて 欲しかった。でも 唄えなかった。

おばぁちゃんに 聴いてほしかった。
 
昨年の夏
祖母に会いに種子島に訪れた。
 
体調を崩していたらしい祖母は
それでも
iPadで 息子の
ピアノの発表会の動画などを観せると、
手でリズムをとりながら
嬉しそうに聴いていてくれた。
 
帰り際に
「また 来なさい。」と
確かな声で そう言ったんだ。
  
 
わたし ほんとうは あのとき
聴いてほしいうたが あった。
 
  
わたしが小さかった頃
ピアノを買うのに 助けてくれたという。
 
その おかげで
わたしはいま こうして
音楽を 仲間とともに
楽しむことが できているのだ。
  
 
聴いて欲しかったのは
自身が作詞した バンドの曲
「オレンジ」。
もともとは、「ボンタンアメ」をモチーフに
かいたものだった。
(だから わたしの歌詞カードは
いまだに「ボンタンアメ」って 書いてある。)
 
こんな、歌詞だ。
 
そう 遠くない 未来にまた 会えるといい
箱の中で きっと彼も 待ってるから
 
淡い 夕日の いろに溶けこんで
そう 甘酸っぱくとろけそうな
優しい 夢の味
 
あなたにも 届けたい
優しさの オレンジを
 
胸の奥に そっとしまいこんだ
枯れ果てた涙の 跡を そっと 撫でてあげる
 
そう遠くない未来にまた 会えるといい
箱のなかで きっとキミも 待ってるから
 
並んでみる世界は 
そう 甘く やさしいの
  
あなたにも 届くかな
優しさの オレンジを
 
オブラートに くるまって
その笑顔が 続きますように。
  
(OCEAN KING「オレンジ」より抜粋)
  
 
 …
  
涙で滲んだ 帰り道
車窓からみる夕焼けが
世界を優しく包んでいた。
 
施設の部屋のベッドから
連れ出してでも
祖母に 見せてあげたかった。
 
そして ほんとうは
この曲を唄って
祖母に 聴いて欲しかったんだ。
 
 
8月31日の ワンマンLIVEで
唄います。
聴いていてね。

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OCEAN KING

私たち4人が出会ったのは'94年のことでした。 当時はそれぞれが別々のバンドで活動してましたが、 約20年の時を経て'13年に再会しバンドを結成。 布袋寅泰さんの曲や様々な楽曲のコピーをこなし、 '16年に初めてのオリジナル曲を完成させました。 それが「もう、このままずっと」です。 おかげ様で「Mステへの階段」1次オーディションも通過しました!